あれから何度、新緑の季節が巡ってきたことでしょう。 長い入院生活を終えて、宮崎禅師さまに退院のご報告に上がった永平寺。 春の日差しをうけて、参道にやわらかい緑の蔭を落とす若葉の鮮やかさが今も目に焼きついています。 私たちは「明日があるさ」と思ってその日その日を過ごしています。 けれども、若葉がたちまちのうちに緑の色を濃くしていくように、 今日の一日はやり直しがききません。 一期一会、この一瞬をしっかりと味わってまいりましょう。 平成十八年五月の『寺だより』から 祥福寺住職合掌