日本には『もったいない』という素晴らしい言葉があります。と、
環境保護活動家でノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ女史が来日講演で賞賛してから、
ひんぱんに「もったいない」を耳目にするようになりました。
ところが、マータイ女史の真意とはうらはらに、今、流行している「もったいない」は、
環境保護を語るときの飾り物になってしまっているように思われます。
葉っぱは要るが根は要らぬでは、野菜は育ちません。
頭とシッポがなければ、魚は生きられません。
自分の命、自分の生活を支えてくれるイノチへの尊敬と感謝をこめた
『もったいない』でなければ、単なる流行で終わってしまいます。
イノチの根っこの深いところに心してまいりましょう。
平成十八年七月の『寺だより』から 祥福寺住職合掌
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